貝塚カトリック幼稚園(以下当園)では、モンテッソーリ教育を取り入れた保育を行っています。
モンテッソーリ教育とは
モンテッソーリ教育は、イタリアにおいて女性で初めて医師になったマリア・モンテッソーリ(1807年~1952年)女史によって確立された教育法です。
彼女は観察を通して子どもが自立にむけて自らを育てようとする力を持っていることを発見しました。そして、一人ひとりが持つその力を尊重し、自分で自分を育てることを援助する、子ども主体の教育を確立しました。
モンテッソーリ教育の柱として「選ぶ」という要素があります。
今の自分の育ちに必要な活動を自分で選び、満足するまで繰り返すことで自身の育ちに必要なことを獲得していきます。
そのため保育室には子どもたちがいつでも自発的に活動に取り組めるようにさまざまなモンテッソーリ教具を準備しています。
自分に必要な育ちを獲得した子どもは自分の体を自分の思うように動かせるようになり、思考するための手段を得て、人格も陶冶されていきます。
子どもが、自発的に取り組む活動(おしごと)は、それぞれ関連し合っている5つの分野があります。
切る・貼る・通す・折る・たたむ・空け移す・はめる・結ぶ・絞るなど日常生活で行うあらゆる動きを獲得し、自分の体を自分の思うように動かせるようになって、自立へと向かう「日常生活の練習」。
五感(視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚)を洗練し、今までの体験を整理付け、知的教育分野へ向かう基礎となる「感覚教育」。
「日常生活の練習」と「感覚教育」を土台に発展していく3つの知的教育分野の「言語教育」「数教育」「文化教育」があります。
◆日常生活
子どもは自分の思うとおり自分の体を動かせるようになりたいという欲求を持っています。歩く・座る・運ぶ・折る・たたむ・絞る等あらゆる日常の動作が活動になります。「着衣枠」は衣服の着脱の際、難しいところを取り出して練習します。細かく段階を踏むことで子どもが寂しい思いをすることなく動きを習得し達成感を味わいます。
◆感覚教育
感覚教育は五感(視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚)を洗練し、日常生活の中で経験した様々な印象を整理付けしていきます。感覚教具には三つの操作法(同一性合わせ・漸次性合わせ・分類)があり、そのいずれかを行います。これらの操作法を繰り返すうちに子どもは「思考」する手段を身につけていきます。
◆数教育
「ただ数字が書ける、唱えられる」ということではなく、数学における大切な要素(量・数字・数唱)の一致を丁寧にして、概念が形成できるようにします。教具を通して具体的な「量」を体感して、少しずつ「数字」という抽象に進んでいきます。それからたし算や連続数に発展していきます。
◆言語教育
実際に文字を書く前の準備の活動で、カードを置くうちに自分で書きたいという気持ちが高まります。言語の獲得は「聞く・話す」から「書く・読む」にという段階に進みます。言語教育は日常の生活の体験や普段の丁寧な会話のなかで語彙を豊かにするところから出発します。たとえ数が少なくても、実体験をともなう「言葉」が後の言語の獲得の核になります。
◆文化教育
「数教育」「言語教育」以外の知的な活動全般です。地理や生物などもちろん音楽や絵画など芸術的な活動も「文化」になります。子どもたちは楽しみながら様々な活動をするうちに自分が生きている環境を理解し、主体的にその環境に関わるようになっていきます。
ご紹介したものは、ほんの一例にすぎません。子どもたちは楽しみの一つとして主体的に様々なおしごとに取り組みます。
私たち大人は、環境を整えて子どもたちを見守ります。